物流・在庫管理の川上から川下まで

自分の業務経験を通して、物流・在庫管理について学んだことや物流関連のニュースなどで気づいたことを記していくブログです

食材在庫管理の3つのポイント ~③先入れ先出しの徹底~

■使用期限切れ廃棄を避けるために

消費期限(賞味期限)が来てしまった食材は、当然ながら飲食店舗では使用することは許されず、廃棄するしかないというのが一般的なルールである。せっかくコストをかけて購入した原材料を店舗の営業活動に活用することなく廃棄しないといけないのは非常にもったいないことであり、経営的にも痛いことになるので、何としても避けなければならない。

■食材管理の基本ルール=先入れ先出し

使用期限切れ廃棄を出さないためには、これまでに書いてきた販売予測や精度の高い棚卸などを確実に実行する必要があるが、これらと並行してもう一つ徹底してやらないといけないのが、「先入れ先出し」の基本ルールの徹底であろう。

先入れ先出し」は使用期限の古いものから順番に使っていくというごく当たり前の話であり、先の2つのポイント以上に普通にできないといけないことである。確実に実行するためには、食材の入荷時の整理のやり方を明確にルール化してそれを遵守していくことに尽きる。

自分が食材管理を担当してた時には、食材が入荷した際にはもともと棚にあった食材をいったん除けて、新しく入荷した食材を一番奥に配置してからその手前に元あった食材を戻すという運用をしていた。食材管理に厳しい現在では、おそらくどの飲食店舗でも似たような運用をしているであろう。

この運用を徹底していくためにも、管理に関わる担当者全員がこのルールを共通して認識していることと、ポイント②と同様に食材保管の棚がきちんと整理されていることが必須である。やはり事業活動を実施していくうえで、整理整頓がしっかりとされていることは、あらゆる意味で大切なことだと考えられる。

 

余談だが、仕事でこの運用を叩き込まれた自分は、プライベートの買い物でも棚の奥から使用期限のより長いものを引っ張り出して購入するということは絶対にしない。スーパーの食品コーナーで棚の奥に手を突っ込んで少しでも期限の長いものを購入しようとしている人をよく見かけるが、苦労して並べ替えをしてくれている店舗の人のことを考えると、あまり気分のいいものではない。