物流・在庫管理の川上から川下まで

自分の業務経験を通して、物流・在庫管理について学んだことや物流関連のニュースなどで気づいたことを記していくブログです

【在庫管理とシステム】

■かつては紙でやっていた在庫管理

かつて私が店舗での在庫管理を担当していたころは、まだWindows95が発売されて間もない頃であり、EXCELでさえまだまだ普及していない時代だった。当時は店舗の在庫数や納品数はまだ紙の方眼紙に数を記入して記録を取っていたぐらいだったが、在庫管理を担当するようになって1~2年後に会社で在庫管理のシステムが新たに導入され、パソコンで入力した在庫数や納品数がシステムに反映されて自動計算されるようになり、その時は「これで仕事のやり方が劇的に変わる!」と感激したことは今でもはっきりと覚えている。

■様々な在庫管理アプリ

時が流れて、現代では在庫管理のアプリを様々な企業が売り出していて、検索してみると何パターンもの在庫管理アプリが出回っていることがわかる。内容も価格も千差万別だが、安いものだとサブスクリプションで月額1000円もかからないようなアプリが出回っている。
これらのアプリを実務として私が使っているわけではないので、どれが良くてどれが悪いという話をこのブログの中でするつもりはないのだが、基本的にどのアプリも在庫や入庫数のカウントをどれだけ正確に行ってシステムに反映させることができるかというのがシステムを活かすうえでの最大のポイントになることは変わらないと考えられる。

■在庫管理アプリを使いこなすためのポイント

在庫管理アプリを使いこなすために必要なポイントというのは、これまでにブログで書いてきたポイントと変わらないと思っている。特に重要なのは正確な棚卸の実施と、そのデータをシステムにきちんと反映させることである。
大企業であれば、在庫管理システムをIT担当の部署や外部のコンサルティングがゼロから構築するということもできるのだが、規模の小さい中小企業になると、なかなかそこまで大胆な投資は難しい。ただ、上記の通り今は様々な在庫管理システムが世に出回っていて、しかも個人でも払えるレベルの金額で活用することができる。一方で、導入するところまでは出来ても、それを会社の業務でしっかりと使いこなすためには、在庫管理の基本動作がきちんとできていることが前提条件となる。
どのような優れたシステムであっても、在庫管理の前提となる在庫数や納品数を正確にシステムに反映させることができなければそのシステムは機能しない。バーコードやICタグを使うことで在庫や納品数を正確に把握できると謳われているシステムもたくさんあるが、そのバーコードやICタグを使うオペレーションの構築は結局ユーザー側が自分たちで考えて構築しないといけない。
(市販のシステムの中には、在庫の重量を測ることで在庫数を確認するという仕組みのものもあったが、これだって物品ごとの重量の登録など、実際に機能させるにはかなりの手間をかけなくてはいけないと見込まれる)

在庫管理システム自体を悪く言うつもりはないのだが、システムを導入しただけで何もしなくても在庫や納品数量を正確に把握することができて、翌日の発注数も自動で計算されるわけではない。優れたシステムを使いこなすためにも地道な作業や検証が求められることになる。